翼を持った男の子2
マクゴナガルは、もしかして飛んでいるのではないかというほど歩くのが速く、ハリーはほとんど走らないとついていけなかった。
だが今日の朝も朝練でしっかり走ったハリーにとっては、特にどうということもない。
正面階段を上がり、大理石の階段を上がり、その間、マクゴナガルは一言も口を利かなかった。相当怒っているのだろうか。
もしかしたら、十分後には荷物をまとめる羽目になっているかもしれない。入学から二週間も経っていないのに──僕が玄関に姿を表したら、ダーズリー一家は何と言うだろう、とハリーは思い、今まで一番憂鬱な気分になった。
──やってしまったなあ。
と、ハリーは走りながら思うが、憂鬱ではあっても、惨めな気持ちではなかった。
ロンやハーマイオニー、精市たちはああ言ってくれたが、学校権力をどうこうするのはやはり簡単なことではない──、多分。と、ハリーは精市や景吾の顔を思い出しながら思う。彼らにかかると何もかもどうにかなりそうな気がして、いまいち言い切れないが。
しかし、もし退学になったとしても、ハリーは後悔していなかった。
自分が間違ったことをしたとは思っていないし、あの態度の悪いドラコに、汚い言葉も使わなかった。力づくでひったくって取り返そうともしなかった。話をして、ドラコがあんなことをする理由を知ろうとしたそのことを、ハリーは後悔していない。
ドラコに癇癪を起こさせてしまい、彼の行動の理由が結局分からないままなのは残念だが、できる限りの最良の選択をしたはずだ、とハリーは自信を持って言えた。なぜなら、グリフィンドールの仲間たちは、だれだってハリーの味方をしてくれたからだ。
ダンブルドアのところに行くのかな、と思いつつも、ハリーはふと、ハグリッドのことを考えた。
彼もホグワーツを退学になり、それから森の番人としてここにいる、とハリーは聞いている。ダーズリー家に戻るとなると誇張なしで死ぬほど憂鬱だが、ハグリッドの助手か何かとして残れるなら悪くないかもしれないな、と、ハリーは場違いにもちょっとうきうきした。
正式な魔法使いになれないのは残念だが、ハグリッドと一緒に、珍しい魔法生物たちと接したり、森に入って冒険したり、生徒たちは入れない秘密の場所でハグリッドと仕事をしたりするところを想像すると、なんだかとても楽しそうな気がしてきたからだ。
退学の危機にもかかわらずハリーが一人で楽しい想像を巡らせていると、マクゴナガルはとある教室の前で立ち止まった。呪文学の教室である。
マクゴナガルは鋭いノックをし、ドアを開けて首を中に突っ込んだ。
「フリットウィック先生。申し訳ありませんが、ちょっとウッドをお借りできませんか」
知った名前が出てきたので、ハリーはきょとんとする。
そしてすぐに、オリバー・ウッドのたくましい姿が、教室から現れた。
「よう、ポッターじゃないか。どうしたんだ」
あの体験入部からこっち、オリバーは何かとハリーを気にかけてくれる。今日は、朝練に参加してきたハリーを全力で歓迎してくれたし、そのあと朝食も一緒に摂って、クィディッチがいかにおもしろいか、そしてテニス部との練習でいかに更に強くなれそうかということを、熱く語ってくれた。
「ええと、僕、退学になるかもしれなくて」
「退学だって!?」
オリバーは、何事だ、という顔をした。
「何をやらかしたんだ? まさかスネイプ教授のべたべたした髪を、昆布に変身させたんじゃないだろうな」
「そんな面白いこと、考えたこともないよ」
ハリーは、本当にぷっと笑った。すると、オリバーも笑う。
「それは残念だ。──でも、じゃあ、大丈夫さ。だって、あの双子は退学になってないんだからな。いやあ、あれは伝説だぜ」
「二人とも、私についていらっしゃい」
二人の会話を無理やり中断させるようにぴしゃりと言って、マクゴナガルは、さらにどんどん廊下を歩き出した。ハリーはそれをまた小走りに追いかけ、オリバーは、なんだかそわそわした様子でマクゴナガルとハリーを何度か見比べながら、それについていった。
「お入りなさい」
マクゴナガルが示したのは、誰もいない、そして周囲にもなんだか人気のない、空き教室だった。少し前まで、空き教室といったらピーブズの格好のイタズラの餌食になっていて、黒板には落書きがされ、椅子は残らずひっくり返されていたらしいが、あの一件でピーブズが氷漬けにされて以来、とても平和で、どの教室もきれいだった。
氷漬けのピーブズをこれからどうするか、とゴーストたちや職員たちの間で話し合われているらしいが、生徒たちの誰一人としてピーブズを再び解き放って欲しいという者はいないし、ハリーもあのままにしておいたほうがいいと思っている。
二人がさっさと教室に入ると、マクゴナガルは几帳面にしっかりとドアを閉め、並んでぬぼっと立っている二人に向き直った。
「ウッド、シーカーを見つけましたよ」
途端、オリバーの表情がほころんだ。しかも、なんだか、やっぱり、とでもいわんばかりの顔である。わけがわからず、ハリーはぽかんとした。
「本当ですか!」
「間違いありません」
マクゴナガルは、きっぱりと言った。
「あんなものを、私は初めて見ました。──ウッド。この子は、ちょうどこれくらいの玉を、17ヤード以上もダイビングして掴みました。かすり傷ひとつ負わずに。チャーリー・ウィーズリーだってそんなこと出来ませんでしたよ」
つまりは、ハリーがいかに見事に箒に乗ったのかということをマクゴナガルが言うと、オリバーは、夢が一挙に実現したような顔をした。
「そう──そうか! いやあ、そうなればいいなあと思っていたんだ」
「どういうこと?」
ずっと黙っていたハリーは、わけがわからず、オリバーを見上げて言う。高い位置にある男らしい顔は、ものすごくにまにましていた。
「ポッター、テニスの体験入部でも今日の朝練でも、いかに君が体力があって、動体視力が良くて、すばしっこいかってことを、俺はよく見てきたよ。根性だってあるってことも。それで、つまり、君がこの上、箒に乗るのが上手だったら、どんなにいいことだろうと思っていたわけさ。小柄なのもいい。身軽で……シーカーにぴったりだ」
喋っているうちに興奮してきた様子で、オリバーはハリーの周りを歩きながら、しげしげと観察した。
しかし、ハリーは目を丸くする。
「シーカーだって? クィディッチの?」
「おお、そうだ、そうだ。もうルールを覚えたのかい?」
オリバーは、嬉しそうに言った。
今日の朝練で、彼はハリーにクィディッチの素晴らしさを語りつつ、ルールについても、実際に使用するボールや箒なんかを見せながら教えてくれたので、ハリーはクィディッチのルールやポジションについて、おおまかなことは把握している。
チームに入れない一年生なのに、一人だけこんなふうに教えてもらっていいものかとハリーが気にすると、「この合同朝練自体には誰だって参加できるのに、きつそうだからって誰も参加しない。そこは役得でいいさ」と、チームの他のメンバーも言ってくれた。
それに、魔法族の子は、クィディッチのルールなど常識の内で、教えられるまでもないらしい。
「でも、一年生はメンバーになれないって聞いた……、聞きました」
ハリーは、マクゴナガルの様子をうかがうように、おそるおそる言った。
するとマクゴナガルは、相変わらず厳しそうな様子で高く尖った鼻をつんと反らせ、背筋を真っ直ぐにして立ち──、しかしどこか、オリバーと同じような興奮の熱がこもった声で言った。
「そのとおりです。しかし、私からダンブルドア先生に話しましょう。一年生の規則を曲げられるかどうか。是が非でも、去年より強いチームにしなければ。あの最終試合でスリザリンにペシャンコにされて、私は何週間もセブルス・スネイプの顔をまともに見られませんでしたよ──」
「待って、ちょっと──待ってください、先生」
オリバーと同じように、話しているうちにだんだん興奮してきたマクゴナガルに、ハリーは慌てて言った。
オリバーもそうだが、ここホグワーツで一番のクィディッチ狂いが誰かといえば、生徒ではオリバー、教師ではマクゴナガル先生である、とはハリーも聞いていたが、まさかこれほどだったとは。いつもの厳格さが嘘のようなマクゴナガルに、ハリーは目を白黒させながら言い募る。
「僕、僕は──、その、マダム・フーチがじっとしていろと──でないと退学にすると言ったのに、言いつけを破りました」
「そのようですね。まあ、その点でいえばマルフォイが先にそうしたようですが」
「見ていたんですか?」
マクゴナガルがあっさりそう言ったので、ハリーはきょとんとした。パーバティやロンの意見をぴしゃりと撥ね付けたので、てっきりその辺りの事情には興味が無いのかとおもいきや、そうではないらしい。
「あのな、ポッター。マクゴナガル先生は、新一年生の最初の飛行術の授業は、なるべく見学なさるんだ。素質のあるやつを見極めるのさ──そして二年生になったらスカウトする。でも君の場合、先生は、二年生になるまで待てないとお思いになった。それほどの素質を君に見出したというわけさ」
オリバーが言うので、ハリーは驚いて、思わずマクゴナガルをじっと見る。
マクゴナガルはゆっくりと、しかし重々しく一つ頷き、彼の言ったことをしっかりと肯定した。
そういえば──、ハリーが着地した時には、彼女はほとんどすぐそこまで来ていた。偶然ホグワーツ城の窓から見かけたにしては、早すぎる。きっと、最初から授業を見学していて、おそらくマルフォイが飛んだくらいからこちらに走ってきていたのではないだろうか。
「それは、でも、──でも、僕は言いつけを破りました」
「おや、決まり事に厳しいのですね、ポッター」
マクゴナガルは、意外そうに言った。普段のことを考えれば、ハリーこそマクゴナガルに最も言われたくない台詞であるが。
「だって──、ハーマイオニーが」
「ミス・グレンジャー?」
ここでハーマイオニーの名前が出るとは思わなかったのか、クィディッチ狂い二人が首を傾げる。
「彼女は、僕が飛ぶとき、止めようとしました。言いつけを破ったら、退学になってしまうから。でも僕は飛ぶことに──、マルフォイから思い出し玉を取り戻すのに夢中で、彼女の忠告を無視しました。ハーマイオニーは、僕を思って注意をしてくれたのに、僕はそれを聞かなかった」
「それで?」
マクゴナガルは、きちんとハリーのいうことを聞いてくれた。そんなことはどうでもいいからクィディッチ、とは言わなかった。
僕のいうことを、“尊重”してくれるんだ。──そう思ったハリーは嬉しくて、よりはきはきと話しだす。
「ああでもしないとマルフォイはネビルの思い出し玉を返してくれなさそうだったし、自分のやった事自体は、後悔していません。でもマダム・フーチの言いつけを破ったのは本当だし、注意してくれたハーマイオニーに申し訳ないです」
「なるほど──よくわかりました」
マクゴナガルは、とてもきっぱりとそう言い、次いで、とても優しげに、そして満足そうに微笑んだ。
「あなたの言うことは、もっともです。事情ががあるとはいえ、マダム・フーチの指示に反した事自体は確かにいけないことですね。退学とまでは行かずとも、確実に減点対象です」
「はい」
「そして私は、あまりのあなたの素質に興奮して、教師として、あろうことか減点をし忘れました。これは反省しなければなりません。ごめんなさいね、ポッター」
ハリーは、心底びっくりした。
己の非をこれほど素直に認める大人というものを、ハリーは初めて見た。ハリーが目も口もまんまるにして思わずオリバーを見ると、オリバーもまた、目も口も丸くしていた。どうやらハリーは、かなりレアな事態に遭遇しているらしい。
マクゴナガルは、優しい顔をしていた。
「確かにあなたの言う通り、言いつけを破って一切お咎め無しというのは、示しが付きません。しかし減点は基本的にすぐに言い渡さなければならないものですので、マダム・フーチにも相談して、罰則は近日中に申し付けましょう。もちろん、マルフォイにもです。いいですか?」
「はい、わかりました」
「退学ほど重い罰にはしませんから、安心なさい」
ちょっといたずらっぽい声だったので、ハリーは思わずにっこりした。マクゴナガルも、微笑んでいる。
「しかし、立派ですよ、ポッター。規則云々もそうですが、友達の心遣いをちゃんとわかっているというのは、人としてとても素晴らしいことです。あなたとグレンジャーは、とても良い友人になれるでしょう」
「そうだといいと思います。それに、あの、ハーマイオニーだけじゃない。ロンも僕を心配してくれたし、パチルも、他のみんなも、ユキムラたちだって、僕が退学にならないように色々してくれるって」
「そうですか」
マクゴナガルも、そしてオリバーも、うんうんとハリーの話を聞いてくれた。
「ああ、今年のグリフィンドールは、とても気高い心根の者が集まっているようですね。実に喜ばしいことです」
「グリフィンドールは、勇気と騎士道の寮だ。そうでなくっちゃ」
オリバーが、ごつごつした手で、ハリーのぼさぼさの黒髪を勢い良く撫でまわしてきた。ハリーはそんなことをされたのは初めてでびっくりしたが、全く悪い気はしなかった。
「では、言いつけを破ったことについては、そういうこととして。クィディッチの──」
「一年生の規則を曲げるというのは、許されることなんですか?」
ハリーは、すかさず言った。今しがた規則の重要性を認めたところだったので、マクゴナガルは苦笑する。
「確かに、一年生はチームに入れないことになっています。しかしこれは、厳密に言うと、募集はしない、ということなのですよ、ポッター」
「つまり、立候補は受け付けないけど、スカウトはあり得るってことさ」
オリバーが、また補足した。
「さっきも言っただろう? 先生は、新一年生の飛行術の授業を見るって。マクゴナガル先生は特に熱心だけど、他の先生だってそうさ」
「でもそれは、二年生になった時にスカウトするためって……」
「まあ、それも本当なんだけど。というか、普通、学校に行く前の子供は箒に乗ってはいけないものなんだ」
それはハリーも知っている。子供がバイクに乗ってはいけないようなものだ、と、飛行訓練の授業の前に、ハーマイオニーに聞いた。そしてドラコが就学前に箒を乗り回していたというのも、私有地ならば未成年が車やバイクに乗ってもお咎めがないのと同じこと、とも。
「だから一年生から使い物になるやつは、まずいない。それと同時に、魔法族の子供は寮代表選手になるのを夢見てる子がすごく多いから、立候補を受け付けてしまうと、凄いことになる」
だから一年生のうちは、よほど才能がある人材でない限りはスカウトしない、とオリバーは言った。
「才能……」
これもまた、ハリーにとって、ひどく聞きなれない響きだったので、ハリーは呆然としてしまった。
「ポッター、初めてなんでしょう? 箒に乗ったのは」
マクゴナガルのその質問に、ハリーは、黙って頷いた。
「そう──、では生まれつきそうなのですね、あなたは」
マクゴナガルがしみじみといった言葉に、ハリーはちょっと驚いた。
確かに、ハリーは、誰に教えられたわけでもないのに、自在に箒に乗って飛ぶことが出来た。本能のような感覚で、何をどうすればいいのかが全てわかった。それは、自分には生まれつき箒で空を飛ぶ能力が備わっているとしか思えないものだった。
マクゴナガルにも、それがわかったのだろうか──傍から見ていても。
「それが才能というものです、ポッター」
「よく、……わかりません」
「自分では、自分の才能はよくわからないものかもしれませんね。しかし私は、あなたほど才能のきらめきを感じる人を見たことはありませんよ。しかも、箒の──クィディッチの才能を見極めることにおいて、私はことのほか自信があります」
マクゴナガルは、本当に自信ありげに、堂々と言った。
「そして私は、生徒の才能は出来る限り活かし、育てたいと思っています。教師として。そしてクィディッチの才能においては、特に、何が何でも腐らせたくないと思っています。いちクィディッチ・ファンとして」
オリバーが、とても深く、うんうんと頷いて同意を示していた。
そして、その熱意ある二人の姿を見て、ハリーは、テニス部の面々を思い出した。
彼らもまた、テニスというスポーツに対して、マクゴナガルやオリバーに負けず劣らずの、これ以上ないような熱意を傾けていた。そしてハリーはそれに気圧されるのと同時に、そんなに一つのことに夢中になれる姿に羨ましさを覚えてもいた。
「でも、……もし僕に才能があるとしても、僕、さっきの一回しか、まだ箒に乗っていません。それなのに、寮代表選手なんて、その……」
「自信がないのか? でも──」
「違う、そうじゃない」
オリバーがハリーの肩に手を置いて何か言おうとしたが、ハリーはそれを遮った。
「僕は今までまともにスポーツをしたことがないけど、……この間、テニス部の体験入部に行って、テニスは──ううん、スポーツってものは、とても奥が深くて、どこをとっても、なんというか、フェアなものなんだなって……」
「そのとおりだ。クィディッチだって同じさ」
「だからだよ」
ハリーは、オリバーの目を見た。
心からクィディッチを愛し、夢中になっている、きらきらとした目。その目を見て、今思っていることを言うのは、とても勇気のいることだった。──しかし自分は、グリフィンドールだ。そう思って、ハリーは、はっきりと言った。
「クィディッチって、たった一度箒に乗っただけの僕が、こうも簡単に代表選手になれるくらい簡単なものなの?」
「……おまえ」
案の定、オリバーは、ショックを受けた顔をした。マクゴナガルも、驚いた顔をしている。
「僕は、……僕は、テニスや、クィディッチを知って、それに夢中になっているウッドや、アトベたちを見て、すごくいいなって思ったんだ。一生懸命努力をして、つらいこともがんばって、どこまでもフェアに勝負してるのが、すごく、すごくかっこいいと思った」
だから自分もあの中に入りたい、と思っていた。
「僕はまだクィディッチをちゃんと見たこともないけれど、スポーツがすごいものだってことは知ってる。だから僕は、その、上手くいえないけど、クィディッチと、クィディッチをしている人を、尊敬しています」
「……ポッター」
「だから、そんなに簡単に、僕を選手にするなんて、おかしい。だって、寮代表選手になるのは、すごく大変だって、名誉なことだって聞いた。みんなそれに憧れてるって、ホグワーツに来てから何回も聞いたんだ。それなのに、どうして?」
「ポッター」
「……どうして? 僕が“ハリー・ポッター”だから? 話題性がある? もしかして、そういうこと?」
「ポッター! そんなことは」
「僕は、……僕は、選ばれるなら、フェアな状態で選ばれたい。だってスポーツはフェアなものだから。真剣勝負の世界だって聞いたから!」
ハリーは、ぐっと唇を噛み締めて、緑の目で、二人をまっすぐに見た。
興奮している自覚は、ハリーにもあった。しかし、言いたいことは、これ以上なくはっきりと、冴え冴えとさえしていた。
「だから僕は、そんなことで特別扱いされたって嬉しくない」