(11)タートル・トーク
こうして全種のメニューをデザートまで食べ尽くした4人は、ステラ・ルーをキッズチェアに座らせてくれたキャストにもういちど礼を言い、大満足で昼食を終え、外に出た。
「うっ……、食べ過ぎたかも……」
しかし何歩か歩くと、バーナビーが胃のあたりを押さえる。「私も、少し……」と、アンドレアも重たげな声で言った。
「大丈夫ですか?」
ガブリエラが、ふたりの顔を覗き込む。ライアンはその様子を見て、呆れた表情をした。さすがのもので、バーナビーとアンドレアの倍以上の量を食べきったというのに、彼らはけろりとしている。
「調子に乗るからだろ」
「だってかわいいんだもの! すべてが!」
「それに、あなたがたの食べる量につられて、自分の限界がよくわからなく……」
アンドレアが叫び、バーナビーが呻く。
「しょうがねえな。ガブ、やってやれ」
「おまかせあれ!」
ライアンが指示すると、命令を与えられてやる気満々の犬のごとく、ガブリエラがふんすっと鼻を鳴らしてふたりの前に立つ。そしてその細い腕をまずアンドレアの胃に伸ばし、掌を当てると、ふんわりとした青白い光を放った。
「……あ、楽になってきたわ」
「消化器官を活性化して、消化を早めているのです」
「相変わらず便利ですね……」
感心するバーナビーにも、同じようにする。ものの数秒でふたりは胃が楽になり、実際にぽこんと突き出していたみぞおちがすっきりとしていた。
「ありがとうギャビー、すっきりしたわ」
「ありがとうございます」
「お安い御用です! こうすると、すぐ下から出ます。あっ大丈夫です、お腹は痛くならないはずです」
「あ、そうですか……」
明け透けなガブリエラに、バーナビーが目を泳がせる。
「はい! ドバーっと出ます! 便秘気味でしたらそれも一緒に、大きいのがたくさん出るので! 出す時は気をつけてくださ、むぐう」
「すみませんがもう少しオブラートに包んでください」
どや顔をして、その生理現象についてジェスチャーも交えて告げるガブリエラに、バーナビーは真顔で言った。ガブリエラの口を物理的に塞いだアンドレアも、真顔である。
シュテルンビルトでも美男美女ヒーローとして名高いふたりに堂々とこういう事を言うガブリエラに、ライアンはげらげら笑っていた。
「んー、タワーオブテラーのファストパスまでまだ時間あるな。どうする?」
「ライアン! タートル・トークがちょうど待ち時間なしです!」
待ち時間確認アプリをチェックしていたガブリエラが、灰色の目を煌めかせながら言う。皆でアプリを覗き込むと、確かに、「10分」という、あってないような待ち時間が表示されていた。
「タートル・トーク……。朝おっしゃっていた、ファインディング・ニモのクラッシュのアトラクションですよね?」
「そうです! クラッシュとお話できるのです!」
バーナビーの質問に、ガブリエラは満面の笑みで、大きく頷いた。
「タートル・トークなら30分ぐらいだし、待ち時間も合わせてちょうどいいぐらいじゃねえかな」
ガブリエラが思い切り頷いた調子にずれたミニーのカチューシャをライアンが黙ってつまみ、さっと直しながら言う。慣れた手つきである。
「では、行きましょうか。アンドレアも、いいですか?」
「構わないわよ。ファインディング・ニモは観てないけど」
「大丈夫ですよ! わからなくても楽しめます! とても!」
太鼓判を押したガブリエラが、セイリングデイブッフェからでも見える巨大な船、S.S.コロンビア号に向かって軽やかに歩き出す。
3人はそれに続くようにして、イースターの華やかな飾り付けがされた広い道を歩いていった。
今から処女航海を控えて停泊中である──という設定のS.S.コロンビア号。
人は少なく空いていたが、もっと長い列が出来た時のスペースにも、そしてそこを通り過ぎて規定人数に達するまで待つための小部屋にも、建造中のS.S.コロンビア号を撮影したモノクロ写真が、壁に整然と飾られていた。
「アンドレア、彼がクラッシュですよ」
静止画でも抑揚豊かな表情のウミガメを、ガブリエラがすかさずアンドレアに紹介する。
「のんびりした顔の亀ねえ」
実写フィルムに違和感なくキャラクターを合成させることに長けたディズニーならではの画面──などとは、もはや誰も発言しない。バーナビーも、普通に「へえ、彼の協力で」と頷いてさえいる。
ゲストを案内するキャストに従って、上品な色の壁紙が施された小部屋に入る。壁にかけてあるのは、魚の図鑑的学術スケッチ──に見えるが、よく見るとニモやその仲間たちをそれらしく描いた美しい絵だ。
「この部屋、何? レクチャールームって、何レクチャーされるの」
「クジラ語や、ウミガメの挨拶の仕方を教えていただくのです!」
アンドレアの何気ない疑問に、きらきらした表情のガブリエラが答える。
「なにそれ」
「とても簡単なので大丈夫ですよ。すぐに覚えられます」
「いえそういうことじゃなくて……ああ、まあいいわ」
やがて部屋が薄暗くなり、全面の大きなスクリーンにモノクロの画像が写り、レトロな客船乗務員のスタイルをしたキャストのマイクパフォーマンスが始まった。
S.S.コロンビア号、そしてアオウミガメのクラッシュの紹介。そして彼と話すための特殊な装置、ハイドロフォンについての説明が、抑揚たっぷりのマイクパフォーマンスで説明される。
更にクジラ語とウミガメの挨拶の仕方を練習させられてから、ゲストたちはいよいよクラッシュと話すための展望室へ通された。
「い〜き〜ま〜しょ〜う〜」
「アンジェラ、クジラ語上手ですね」
間延びした独特のイントネーションでイキイキと部屋に向かうガブリエラに、バーナビーがコメントする。ちなみにウミガメの挨拶は、「最高だぜー!」と言われたら、両手を上げて「ウオオオオオ!」と雄叫びを上げるというものである。
「これ、やらなきゃダメなの?」
「ディズニーで楽しむコツは、羞恥心を捨てることだぜ」
微妙な顔をするアンドレアに、レクチャータイムでガブリエラと揃って完璧なクジラ語とウミガメの挨拶をしてのけていたライアンが、にやにやと言った。
展望室はゆるやかな扇形の低いベンチが何列も並んでおり、そんなに広い空間ではない。前面には、時々遠くに魚群が泳いでいる海底が映し出されていた。比較的リアルな映像なので、本当にガラス越しに海を見ているようだ。
最前列の低い座席は、保護者が常についていないといけないような、小さな子供たちのための座席。そして広めの通路を空けて、後ろまでが大人用。
やはりホスピタリティと気遣いの溢れる作りに感心するバーナビーとアンドレアは、暗い部屋でライアンとガブリエラとはぐれないように進み、大人用の席の最前列、内部通路側に並んで座った。席ごとに段差があるため、ショーの時のようにカチューシャについては言われなかったが、背が高いことに自覚のある面々は、自主的にそれぞれカチューシャや帽子を外す。
「あ、ジュニア君は帽子かぶったままで」
「えっ? なぜです?」
「いいからいいから」
にやりと笑うライアンにきょとんとしたバーナビーだが、後ろを振り返ると、空いているため他のゲストたちも何席か空けて座っている。これなら後ろの人の視界の邪魔になることもなさそうだ。
ディズニーマニアの言うことは素直に聞いておいたほうが色々と楽しめるのだということを既に学習しているバーナビーは、ライアンの言う通り、ウッディのテンガロンハットをかぶってタートル・トークの開始を待つ。
やがて再びキャストのマイクパフォーマンスが行われ、大きな声でクラッシュを呼ぼう! という流れになった。
「クラッシュ〜!!」
主に元気な子供たちが中心になった呼びかけで、音楽とともに、遠くからアオウミガメが泳いでくる。言わずもがな、クラッシュだ。画面の向こう、いやガラスの向こうからノリのいい挨拶をしてくる彼に、さっそく皆でウミガメ式の挨拶をする。
「すごいですね」
「すごいし、トーク上手ねえ」
バーナビーとアンドレアが感心する。
クラッシュに色々質問する、という内容である説明は受けていたが、実際体験すると本当に凄い。ディズニー特有のテンポよく抑揚たっぷりな口調のクラッシュは、そのまま映画から出てきたようだ。そして彼は、座席に座っている観客からランダムに指名し、質問を募ったり、逆に何か質問してきたりする。
もちろん会話は成立するし、しかもクラッシュの返しがいちいち上手い。そして元々ヒッピー的な考え方であるキャラクターだけあって、絶妙に適当である。
会話だけでなく動きも素晴らしく、「クラッシュはおならをするの?」と聞いてきた子供に無言でいるのでどうしたのかと思えば、後ろからぽこぽこと空気の泡が上がってきたりするのだ。
ゲストもクラッシュももちろん日本語での会話だが、子供相手なので簡単な会話であるので、聞き取りは全く難しくない。ガブリエラは、ライアンにちょくちょく通訳をして貰って楽しんでいた。
《じゃあ、次は大人にしよう。そこの真ん中の、赤い甲羅の──頭に茶色い貝を乗せた男!》
「……えっ」
目を丸くしたバーナビーだが、マイクを持ったキャストがにこにこしながら駆け寄ってくること、また他のゲストたちの視線が一斉に集まってきたことで、自分が指名されたことを理解した。赤い甲羅と、頭の上の茶色い貝。すなわち、赤いライダースジャケットと茶色の帽子。
「あら、子供だけじゃないのね」
アンドレアが、面白そうな顔色で言う。そしてすぐ、しゃがみこんだキャストがバーナビーにマイクを向けてきた。バーナビーが明らかに外国人であることを察し、日本語は大丈夫かと尋ねられたので、大丈夫だと答えた。
かなり驚いたものの、突然マイクを向けられることには慣れている。職業病でもあるが、バーナビーは背筋を伸ばした。
《やあ。名前は?》
「──バーナビー、です」
間違いのない発音になるよう、バーナビーはゆっくりめに言った。
《バーナビーか。バーナビー、最高だぜ〜!》
「う、うおおー」
質問を考えていた所、突然ウミガメ式挨拶を求められ、バーナビーはなんとか対応した。しかし羞恥が残っていたこともあり、中途半端なものになる。上げた両手も、肘が曲がっていて中途半端だ。
《……バーナビー、周りを見てみろー》
「え、はい」
バーナビーの中途半端な挨拶を聞いたクラッシュが、やけに深みのあるいい声で呼びかけてくる。バーナビーは、言われたとおり、周りを見た。ゲストたちが、じっとこちらを見ている。
《みんな、お前を見てるな? 信じてるんだ。バーナビーはもっとできる、って》
「えっ」
どっ、と笑いが起きた。アンドレアさえ声を上げて笑っているし、ライアンは手を叩いている。ガブリエラも、満面の笑みだ。そして、前にいる子供たちも。
バーナビーは、うっと詰まった。彼はヒーローである。すなわち、子供の期待は裏切れない。
《よーしもう1回だー。──最高だぜ〜!!》
「……ウオー!!」
もうヤケクソである。まっすぐ両手を上に伸ばして大きめの声を上げたバーナビーに、ゲストたちが拍手をした。ピュウ、とライアンが口笛を吹いてくる。
《やれば出来るじゃないかぁ〜! 皆も、最高だぜ〜!!》
続いて、ゲストたち全員も同じようにする。羞恥心を捨てたバーナビーの後だからか、皆元気の良い声を上げていた。そのことに、バーナビーもほっとする。
《バーナビー、なぜやらないんだ? ちゃんと見てるぞ》
しかしすかさず突っ込まれ、バーナビーはびくっとした。また笑いが起きる。隣のアンドレアが、「ほんとうまいわねえ!」と、笑いながら感心していた。
《じゃあバーナビー、質問を聞こう》
「ああ、えー、……す、すきな、たべものは、なんですか?」
全く面白みのない質問になってしまったことに、バーナビーは内心「しまった」と思った。いつもなら僅かの間に頭を回転させてうまい返しや質問を考えることなど朝飯前だというのに、この独特の空気感とクラッシュのテンポに、なんだか何もかもが持って行かれてしまうのだ。
《好きな食べ物かあ。オレは海藻しか食べないんだ》
だから体も見ての通り、緑色をしているんだなあ、とゆったり言い、クラッシュはその場でくるりと回転してみせた。
《バーナビーは、食べ物は何が好きなんだい?》
「……スシ、です」
今度はなかなかうまい返しが出来たんじゃないか、とバーナビーはホッとした。ジャパンといえばスシであるし、と。
《スシ?》
「ハイ。きのう、たべました」
《スシって……どんな食べ物だい?》
「ナマの、サカナです。それを切って……」
そこまで言って、バーナビーは、クラッシュが目も口も限界まで見開いた表情になり、硬直していることに気付いた。そのリアクションに、バーナビーもまた何事かと硬直する。
《──みんな、逃げろおおおおおおおおっ!!》
クラッシュが絶叫すると同時に、彼と、まばらに泳いでいた小魚までもが一斉にいなくなる。ゲストたちが笑い声を上げ、数秒。シン、とした静寂。何もいない海の底だけが目の前にある。
《……もう、バーナビー、いないか?》
端から少しだけ頭を出して、クラッシュがおそるおそる言う。
どっ、とまた笑いが起こる。今度は、バーナビーも苦笑交じりで笑っていた。
その後、他のゲストとも幾つかのやり取りを経て、30分程度のタートル・トークが終了した。皆が笑顔でぞろぞろと出ていく中、《バーナビーはもういない? いないか?》というクラッシュの追い打ちの声が聞こえて、つい噴き出す。
「あっはは! 面白かったわ!」
珍しくも大きく口を開けて笑うアンドレアとその隣でにやにやしているライアンに、バーナビーは苦笑する。SかMかでいうと断然S側のこのふたりは、バーナビーが完全にクラッシュにおちょくられていたのが相当面白かったようだ。
「……帽子をかぶったままでいろというのは、指名されやすくなるからですか?」
ふと気づき、バーナビーは言った。
クラッシュがゲストを指名する時、服は甲羅、帽子は頭に乗せた貝、また首にショールを巻いているゲストを「首に昆布を巻いている」などと表現していたので、そういう特徴のあるゲストが選ばれやすいのだろう。
「そうそう。目につく格好だと指名されやすいんだよ。特にあの座席は」
「あなたはよかったんですか」
「捨てがたいけど、弄られてこそ輝くのはやっぱジュニアくんかなって」
「なんですかそれ!」
解せない評価に、バーナビーが軽く憤慨する。
「バーナビーさん、クラッシュとお話できてよかったですね!」
「……ああ、ええ。貴重な体験でした……」
こちらは何の他意もなくにこにこしているガブリエラに、バーナビーは頷く。ドSふたりと違って彼女と話すと毒気が抜けるなあ、と、バーナビーは気分を切り替えた。
「しかし、スシはまずかったですね。僕としたことが、デリカシーが足りない質問でした」
「真顔でコメントするのやめて!」
アンドレアは相当ツボに入ったらしく、ステラ・ルーを抱きしめながらけらけら笑っている。
「ん〜じゃ、いい時間だし、そろそろタワーオブテラー行くか」
タワーオブテラーのファストパスは、13:45〜14:45。現在は14:15、確かにちょうどいい時間帯である。ライアンの宣言に3人とも頷き、引き返すような道順で歩いていった。
「中も随分雰囲気があるわねぇ」
ファストパス・エントランスから入り、アンドレアが言った。
下よりも上部のほうが大きいという独特の形をした、フレンチ・ロマネスク風の建物である、タワーオブテラー。彼女が言う通り、内部も外装を裏切らない重たげな装飾が完璧に施されていて、雰囲気満点だった。
「本当に絶叫マシンらしくないですね」
「そうねぇ。どっちかっていうとオバケ屋敷──」
「……ライアン、何をしているんですか?」
バーナビーが、怪訝そうに言う。なぜならアンドレアが“オバケ屋敷”と言った“オ”の音くらいで、ライアンがすかさず後ろからガブリエラの両耳をそっと塞いだからだ。ガブリエラもよくわかっていないのか、きょとんとした顔をしている。
「別にィ?」
「なんですか? 何かおっしゃいましたか?」
そうこうしているうちに、列は小部屋にたどり着く。やはり重厚な装飾が施された部屋が、いくつかの橙色のランプのみで薄暗く照らされている。前の部分には大きな蓄音機が乗った書斎机があり、全員からよく見えるようにということか、数段上にせり上がった台のようなものに設置されていた。
「ここで待つんですか? タートル・トークのようなレクチャールームなんでしょうか」
「絶叫マシンで何のレクチャーがあるのよ」
「ディズニーのアトラクションは、どれもそれぞれストーリーがあるんだよ」
疑問符を浮かべるディズニー初心者ふたりに、ライアンが説明した。
「この建物の名前は、ホテル・ハイタワーっつってな」
「あ、ホテルだったんですか」
だから大きいんですね、とバーナビーが頷く。
「そう。ハリソン・ハイタワー3世っておっさんが建てたの。あれな」
ライアンが示したのは、書斎机の後ろ側の壁、この部屋でいちばん大きく目立つステンドグラス。ホテル・ハイタワーをバックに、紫色の正装をした厳しい顔つきの老人が、王冠をかぶって立っているものだ。
「ちなみにさっきのS.S.コロンビア号を作ったのがコーネリアス・エンディコット3世で、ハイタワー3世とは長く確執がある」
「他のアトラクションも絡めて設定があるの?」
アンドレアが感心する。
世界中から様々な骨董品などを収集することが趣味である大富豪のハリソン・ハイタワー3世は、1899年、コンゴ川流域に住むムトゥンドゥ族から、“シリキ・ウトゥンドゥ”という像を手に入れる。
翌年12月31日に開かれたお披露目パーティーで、ハイタワー3世はホテルの最上階にある自室にシリキ・ウトゥンドゥを飾るため、エレベーターに乗り込んだ。
「で、あれがシリキ・ウトゥンドゥ」
ライアンが、前にある重厚なデスクの斜め後ろの高い台に置かれた、いかにもアフリカンな木彫りの像を指差した。
「ちょっと不気味なデザインですね。……それで?」
「それは今から説明されるぜ。ほら」
ストーリーに興味を示すバーナビーにライアンはにやりとした。
するとホテルマンらしい服装のキャストが前に進み出てきた。
キャストはライアンの説明通り、この木造がシリキ・ウトゥンドゥであると示した。そして、「落下したエレベーターから見つかったものです」とも。
「えっ」
「え? 落ちたの? エレベーターが?」
驚くバーナビーとアンドレアだが、キャストはそのまま机に近づき、説明を続ける。
「そのまま、ハイタワー3世は謎の失踪を遂げました。それではここで、謎の鍵を握る彼の最後の記者会見の録音をお聞きください」
キャストが、机の上の大きな蓄音機を操作する。するといかにも蓄音機らしいざらついた音で、ハイタワー3世に対して記者が威勢良く質問する声が響いてきた。